支払いは60日以内に
手形払い禁止、話し合いなしの値決めも問題に
決まった公正取引委員会(取引が公正かを監視する国の役所)は、納品を受けてから60日以内に代金を払わない遅れを禁じる新ルールと、価格を話し合わずに代金を決める行為を問題とする指針の改定を決めました。手形払いの禁止も法律に入っており、受託開発の値上げ交渉と資金繰りの両方に影響します。
下請法を改めた「取適法」(下請け取引を守る法律)では、手形払いの禁止、話し合わずに代金を決めることの禁止、従業員数による対象基準の追加が予算・法案化の段階に入りました。さらに公取委は、この法律の対象外の取引にも及ぶ「支払告示」を新しく作り、納品から60日以内に払わないことを禁じます。強い立場を使った押し付け(優越的地位の濫用)の指針も改め、実質的な価格の話し合いなしに代金を決める行為を、問題になり得る例として明記します。
背景には、人件費が上がっても下請けが値上げを言い出せない状況を、サプライチェーン(発注でつながる企業の連なり)全体で変えたいという政府の方針があります。2026年6月の独占禁止懇話会で公取委の企業取引課長がこれらを説明しました。同じ月の企業取引研究会では、約15万事業者を対象に、値上げを取引先に認めてもらえているか(転嫁)と支払いの実態の調査を始めたことも報告されています。
調査の対象になれば、取引の書面や価格交渉の記録を示す必要が出てきます。元請けや大口顧客への値上げ交渉では、話し合いを求める正当な根拠になります。一方で、外注先やフリーランスに発注する側としても60日ルールと一方的な単価決定の禁止が自社に向くので、払う側と受け取る側の両面で点検が要ります。
会社でやること主な取引先と外注先の契約書・発注書を並べ、支払いが納品から60日を超えるもの、手形払いのもの、単価を話し合わずに決めたものに印を付ける。
根拠 4件
- 2026-06-30 独占禁止懇話会方針として決定・政府側(公正取引委員会 企業取引課長)
正当な理由なく給付の受領日から60日以内に代金を支払わないことを支払遅延として禁止しております
- 2025-11-07 独占禁止懇話会予算・法案化・政府側(公正取引委員会 柴山企業取引課長)
協議に応じない一方的な代金決定の禁止、次に手形払等の禁止、その次に運送委託の対象取引への追加、これは物流問題への対応ということでございます
- 2026-06-30 独占禁止懇話会方針として決定・政府側(公正取引委員会 企業取引課長)
実効的な価格協議が行われず対価が定められる場合を追記したものでございます
- 2026-06-29 公取委 企業取引研究会 第5回方針として決定・公正取引委員会 事務局(優越的地位濫用未然防止対策調査室長)
先週の6月26日から価格転嫁の円滑化の観点から転嫁調査を開始したところでございます。 15万名ほどの事業者を対象としておりま